HISTORIC SEASON 2014

Ascot GBR

アスコット大会 室屋はポイントを伸ばす

日曜日に行われたRed Bull Air Raceアスコット大会で、室屋はSuper 8進出を果たし、日本のファンは大いに期待を膨らませたが、一瞬のミスが原因でペナルティを受け、Final 4進出は惜しくも逃した。強風が吹く中、有名なアスコット競馬場で行われた今回の大会では、地元イギリス出身のパイロット、ポール・ボノムとナイジェル・ラムが優勝と準優勝と上位を独占。これにより、チャンピオンピオンタイトルの行方は、上位3名による三つ巴の戦いへと様相を変えた。

アスコット(イギリス)

Red Bull Air Race World Championship(レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ)シリーズ後半がスタートした今回の大会で、福島出身の室屋義秀はTOP 12で果敢な攻めのフライトを見せ、Super 8進出を果たした。しかし、エアゲート通過時の翼の高度が原因でペナルティを受け、さらなる上位進出を阻まれた。しかし6位と健闘し、チャンピオンシップのポイントを増やすことに成功した。

 

「垂直ターンの間にエンジンチェックをしていたら突風が吹き、コックピットで慌てて調整しました。パイロットによる単純ミスです。でも、シーズン始めのクロアチア大会で3位に入賞してから、パイロットとしての自信がついてきました。」飛行技術の上で大きな成長を見せた室屋はコメントをこう締めくくった。「だから気分は上々です。」

 

地元イギリス出身のパイロット、ポール・ボノムとナイジェル・ラムの両選手が優勝と準優勝の上位を独占した。満員御礼となった会場に駆けつけた29000人の観衆は、強風という厳しいコンディションの中で行われたスリリングな空のパフォーマンスに酔いしれた。ボノムは、パイロットキャリア上55回目のレースとなった今回の大会を、通算15度目の、そして今季2度目の優勝で飾った。この勝利により、ボノムはランキング首位ハンネス・アルヒとの差を13から2へと大幅に縮めることに成功した。8大会からなる今シーズンもあと残すところ3大会。アルヒは日曜の本戦を痛恨の8位で終えている。

 

レースナンバーも55でスタートしたボノムは、今回の優勝によってチャンピオンシップのポイントを41に大きく伸ばした。一方、首位アルヒのポイントは43にとどまった。風向きがよく変わる上、時として 30ノットにも達する突風が吹く難しい条件の中、多くのパイロットが苦戦を強いられたが、ボノムは完璧なフライトを見せ、勝利を見事手中に収めた。チケットが完売した会場で正面特別観覧席や芝のテラスに陣取り、息を呑む空のアクションに見入っていた観客は、 Super4でボノムが前代未聞の好タイム、1分11秒579でゴールするやいなや大歓声があがった。この日58歳の誕生日を迎えたラムは、1分11秒750の同じく堂々たるタイムで僅差の2位に入り、3大会連続の表彰台を祝った。これでラムは10ポイント増やし合計35ポイントとなり、チャンピオンタイトル争いに加わることに成功した。