HISTORIC SEASON 2017

San Diego USA

2017年シリーズ第2戦・サンディエゴ大会。 室屋/ Team FALKENはチームの力を結集・発揮し ファンの声援を後押しに、2度目の優勝を果たした。

4月15日(土)16日(日)米国 サンディエゴにてレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2017の第2戦が行われた。
サンディエゴ大会は2009年以来、8年ぶりの開催である。

エンジンのクーリングシステムが機能せず、第1戦のアブダビ大会は苦しい戦いになったが、その後、ロサンゼルス近郊にあるチームテクニシャンのファクトリーに機体を移し、昨年のセッティングに改良を加えた状態にしてサンディエゴ大会を迎えた。
また、今大会より「大空を飛ぶ鷹の翼」をイメージしたFALKENカラーに愛機をペイントし、フライトスーツも新しいカラーに変更している。

美しいサンディエゴの海の上に設けられたレーストラックは、第3から第6ゲートのパイロンの間隔が短く、制限値ギリギリのGがかかるレイアウトをしている。
しかし、3回のフリープラクティスでは一度もペナルティを出すことなく、57.909秒という最速タイムを記録。2位・3位・1位と安定したフライトを見せた。

予選ではタイムが伸びず1:01.384秒(ペナルティ2秒)で10位に。
フリープラクティスでは攻めたフライトで好タイムを叩き出したのだが、予選では安全なラインでフライトした結果、予想以上にトラックタイムを落としてしまったのだ。
しかし「機体のセッティングに問題はないので、安定したフライトを心がければ心配ない」と室屋は自信をのぞかせた。

決勝日のRound of 14ではピート・マクロード選手(カナダ)と対決。
59.280秒(ノーペナルティ)を記録し、0.458秒差でピート・マクロード選手に勝利した。
後に「落ち着いたフライトができた」と室屋は語っている。

続くRound of 8ではマルティン・ソンカ選手(チェコ)と対決。
59.271秒(ノーペナルティ)でソンカ選手を下し、Final4に駒を進めた。

迎えたFinal4。室屋は1番目にフライトを行い58.529秒という好タイム叩き出した。
続くパイロット達はそのタイムを強く意識したのか、マティアス・ドルダラー選手(ドイツ)がパイロンヒットをするなど、2位との差を+1.925秒も開け、自身2度目の優勝を果たした。
フライト後の感想を尋ねられた室屋は「メカニック達もしっかりと準備をしてくれたし、自分自身もしっかりと飛ぶことが出来た。去年の初優勝の時と少し違うのは、安定してフライトができる自信を持って戦えた事」と答えた。
昨年の後半戦からやや苦しいレースを展開してきた室屋だが、自分自身のコントロールを課題として取り組んだことが功を奏したようだ。

実は今回の機体改良で重量が増した為、タイムに多少の影響を及ぼしている。
現在のセッティングで軽量化に成功すれば、タイムを0.2秒ほど縮められる見込みである。
また、空力性能とクーリングの両方を引き出せるような研究も進めており、千葉大会に間に合わせるべく取り組んでいるところとの事。

今回の優勝で年間総合ランキングは13位から3位に大きく飛躍。
苦しかった初戦アブダビ大会から早々に立て直す事ができた。
「次につながる勝利だった」そう振り返ったTeam FALKEN(室屋)は、2017年の目標である年間総合優勝に向け、6月に開催される千葉大会に挑む。