HISTORIC SEASON 2017

Indianapolis USA

混戦極める年間王者争いの結果、遂に頂点に! 2017年シーズン最終戦となるインディアナポリス大会でTeam FALKEN(室屋)は圧倒的なタイムを記録し、今シーズン4度目の優勝を獲得。 ワールドチャンピオンの座を勝ち取った。

10月14日(土)・15日(日)、Red Bull Air Race World Championship 2017 インディアナポリス大会がインディアナ・モーター・スピードウェイで開催された。今シーズンは最終戦まで混戦を極めており、室屋を含む上位4名の選手がシリーズチャンピオンの座をかけて激しい戦いを繰り広げていた。

予選前日の13日(金)に行われたフリープラクティス1・2。室屋はそれぞれ1:07.873秒(ペナルティ+1秒/ トップと+3.700秒差)で9位、1:05.913秒(ペナルティ+2秒/ トップと+1.858秒差)で8位と、コースラインの攻略に苦しんでいた。

予選当日の14日(土)に行われたフリープラクティス3では1:06.367秒(ノーペナルティ/ トップと+2.084秒差)で8位、続けて行われた予選では1:07.732秒(ペナルティ+2秒/ トップと+3.583秒差)で11位に。エンジンのセッティングが完璧な状態でなく、満足なスピードを得られずにいたのだ。

予選の結果、翌日の決勝Round of 14の対戦相手は年間王者の座を争うマルティン・ソンカ選手(チェコ)に。期せずしてワールドチャンピオンシップポイントの1位と2位が決勝初戦で直接対決する展開になったが「ワールドチャンピオンになるためには、いずれにせよマルティン(ソンカ)を上回らなければならないので、初戦で当たっても問題ありません。全力を尽くすだけです。」と室屋は極めて冷静に語った。

チームの懸命の作業によりエンジンの不調を解消して迎えた決勝当日のRound of 14。Heat2先攻の室屋は、強風でタフなコンディションの中でのフライトで1:06.134秒(Incorrect Level+2秒)を記録。ペナルティを取られ、あわやRound of 14で敗退かと思われた。しかし、後攻のマルティン・ソンカ選手が1:07.866秒(Pylon Hit+3秒)でゴールし、ワールドチャンピオンシップポイントの1位と2位が対戦する大一番は室屋が勝利。その後、マルティン・ソンカ選手もファステスト・ルーザーとしてRound of 8に駒を進める事となり、年間王者争いはRound of 8以降にもつれこむ展開となった。

Round of 8では、ミカエル・ブラジョー選手(フランス)と対戦。室屋は後攻でのフライトで1:04.557(ノーペナルティ)と好タイムを記録し、Final4へ進出。

迎えたFinal4で最初にフライトをした室屋は、コンピューターで解析した考え得る最速タイムを上回る1:03.026秒でゴールし、コースレコードを記録。後に続くマティアス・ドルダラー選手(ドイツ)、フアン・ベラルデ選手(スペイン)、そしてマルティン・ソンカ選手に大きなプレッシャーを与えた。その結果2位に+2.520秒もの差を付け、圧倒的な速さで今シーズン4度目の優勝を勝ち取った。

今大会でワールドチャンピオンシップポイント15を獲得、年間総合ポイント74となり、マルティン・ソンカ選手を抜いて見事逆転総合優勝を果たした。22歳の時から抱き続けた「操縦技術世界一」の夢を叶えた瞬間、室屋の目には涙があふれていた。

ベストな機体セッティングとコース取りを追求し、コンスタントに表彰台に立ち、ポイントを重ねてきたTeam FALKEN. ファンの応援と多くのサポートを力に変え、今シーズンの初めに定めた「年間総合優勝」の目標を見事に勝ち取った。今シーズンに確たる強さを築いたチームから来シーズンも目が離せない。