HISTORIC SEASON 2017
AbuDhabi UAE
2017年シリーズ第1戦・アブダビ大会。 室屋/ Team FALKENは攻めたフライトの結果、オーバーGでDNFに。 最速のタイムをたたき出すも、苦しい開幕戦となった。
2月10日(金)アラブ首長国連邦アブダビにてレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2017初戦が開幕。
今シーズンのアブダビ大会は記念すべき通算75レース目、そして10シーズン連続での開幕戦となる。
チーム体制も新たに、2017年シリーズ初戦を迎えたチーム・ファルケン。
振り返ると、大会数日前のフリープラクティスから波乱を感じさせるものがあった。
普段から安定して上位にいるはずの室屋が、トップと大きく差をあけたタイムを出していたのだ。
予選でもスピードに伸びがなく、コース2周目に入るとそれがさらに顕著になった。
新たに取り入れたエンジンのクーリングシステムがうまく機能せず、エンジンがオーバーヒートしてパワーが出なくなっていたのだ。
予選終了後、クーリングシステムのセッティングを昨シーズンの状態に戻すなど、決勝ラウンドまでのわずかな時間で対処を行って迎えた決勝日。
Round of 14でフアン・ベラルデ選手(スペイン)と対決。
セッティングを元に戻したとは言え、どこまで戻っているかは分からない。
現状の機体では限界までGをかけていく以外にフアン選手に勝つ選択肢はないと判断した室屋は、迎えたRound of 14で、ぎりぎりまで攻めるフライトを行った結果、10Gを上回る時間が僅かに規定値をオーバーし悔しくもDNFとなった。
着実にポイントを重ね、シリーズチャンピオンを目指すと宣言した室屋にとって、苦しい開幕戦だったに違いない。
しかし「フライト自体は思い描いた通りにできた。完璧に近い。」と室屋は言う。
実際、室屋がRound of 14でたたき出した52.126秒は、DNFにより敗退はしたものの、決勝ラウンドのどの選手よりも速いタイムだった。
アブダビ大会終了後、チームは米国・ロサンゼルス近郊にあるチームテクニシャンのファクトリーで機体の改良を行う予定だ。
第2戦まで約2カ月。チームの総力を結集し、次戦サンディエゴ大会に臨む。