HISTORIC SEASON 2016

Lausitzring GER

室屋義秀/Team FALKEN、予期せぬオーバーG。パイロットとして準備不足と悔やむ戦い。

身体と機体の調和に乱れが。苦しい戦いが続いたヨーロッパラウンド。

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第6戦が9月3日(土)4日(日)の両日、ドイツ・ラウジッツで行われた。

今回、舞台となったサーキット、ラウジッツリングでの開催は、2010年以来2度目となる。
チャンピオンシップ6位の成績で今大会に乗り込んだチーム・ファルケン(室屋)は、3日(土)の予選で54秒700の好タイムをマークし、幸先よく予選を4位で通過。ところが好天に恵まれた初日から一転、大会2日目の決勝はあいにくの雨模様。選手たちはブタペスト大会同様、天候の推移を見守りながら待つことを余儀なくされた。また、予選3位のマルティン・ションカ選手(チェコ)が、エンジン回転数の規定値超えで失格となり、室屋選手は順位を一つ上げ、予選3位で決勝のステージへと駒を進めた。

決勝ラウンド初戦のラウンド・オブ・14での、室屋の対戦相手はニコラス・イワノフ選手(フランス)。レース直前から雨に見舞われ、天候回復待ちのため、予定よりも1時間遅れてスタート。先行したニコラス選手のタイムは57秒088。室屋にとってプレッシャーとなるタイムではなかったももの、抜かりなくフライトに臨んだ室屋。しかし、ゲート3から4にかけてのコーナーでまさかのオーバーGにより、DNF(DID NOT FINISH)となり、敗退。

レース終了後、室屋は「イワノフ選手のタイムはわかっていたので、あえて攻め込まず、自分のペースで飛んでいました。ゲート3から4へのコーナーでオーバーGになるとはまったく予期しない展開でした。機体の調子は良かったので残念です。解析データとの調整で身体に刷り込んだ自分の感覚はもちろんですが、気温や空気密度といった気象条件など、あらゆる角度からの対応や対策が必要だと感じました。その点パイロットとして準備不足でした」と悔しそうに語った。

「機体の改良よりも、まずはパイロット。千葉のときと同じように、とにかく飛んで飛ん
で、オーバーGになる感隔を筋肉が自然に反応するレベルまで体で覚えるしかない。ここ3 戦、苦しい戦いが続いていますが、さらにしっかりと研究とトレーニングを重ねて、残り2 戦、確実に勝ち上がりたいと思います」

2016年シーズンも残すところ後2戦。機体とどれだけ調和して飛べるかが今後の鍵になる。