HISTORIC SEASON 2016

Indianapolis USA

室屋義秀/Team FALKEN、コースレコードで予選トップ通過。6ポイント獲得で年間総合ランキング3位の可能性を残す。

コースレコードで予選トップ通過。Round of 8で2番手の好タイムを出すも敗退。

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ第7戦が、10月1日(土)2日(日)の両日、米国のインディアナポリス・モーター・スピードウェイ(以下、IMS)で行われた。

スタンディングスタートから始まるレーストラックは、一見スローでシンプルなレイアウトみえるが、フライトが始まってみると、選手たちは次々とペナルティを取られることに。

会場のIMSは、ゴルフコースが隣接しており、その一部のホールはIMSのオーバルコース内にある。そのためインフィールドには高い木が多く、今回のエアレースでも立ち木を避けるために、かなりゲートごとに大きなアップダウンが設けられていた。これがゲート1、2でインコレクトレベルのペナルティを多発させた原因でもある。

チーム・ファルケン(室屋)も30日から始まったフリープラクティスでは様々なライン取りを試しながら徐々にタイムを詰めていき、フライト毎に7位、4位、4位と着実に順位を上げながら、1日に行われた予選では、ついに2日間のフライトで最速となる1分2秒073のコースレコードをたたき出し、見事にトップ通過。

決勝ラウンド初戦のラウンド・オブ・14では、今レースからマスタークラスに昇格したチリのクリスチャン・ボルトン選手と対戦。クリスチャン選手が2秒のペナルティを受け、後攻の室屋にとっては有利な試合展開になると思われたが、室屋は、次のラウンド・オブ・8で優位な組み合わせを得るために果敢に攻め、結果、4秒のペナルティを受け8位となり、続くラウンド・オブ・8では、チャンピオンシップポイントランキングでトップに立つ、同期で盟友のマティアス・ドルダラー選手(ドイツ)と戦うことに。

ラウンド・オブ・8、先行で飛んだ室屋は、ラウンド・オブ・8でそれまでに飛んだ7人のなかで最速タイムとなる1分3秒730という好フライトを見せたが、対するドルダラー選手がここで驚異的なフライトをみせ、1分2秒台のタイムをたたき出し、室屋はここで敗退。

ラウンド・オブ・8で出した1分3秒730という記録は、室屋自身も「ベストに近いタイム。これで、まあ大丈夫かなと思ったんですけどね」と振り返る好タイムである。
ところが、後から飛んだドルダラー選手は、室屋のタイムを1秒近く上回るスーパーラップを叩き出し、結果、室屋はラウンド・オブ・8全体で2番目のタイムを出しながら、ファイナル4に進むことができなかった。

惜しくもファイナル4には進出できなかったものの、最終結果は5位、ワールドチャンピオンシップポイント6を獲得し、年間総合ランキングも6位に浮上。2016年シーズンも残すところ1戦のみ。「今回5位に入って6ポイント加算できたことで、まだ年間総合3位の可能性は残っている。これで最後までおもしろくなる。ラスベガス戦の注目は3位争いですね」と語る室屋は、今年の目標である「年間総合で表彰台」の達成をラストレースにかける。