HISTORIC SEASON 2016

AbuDhabi UAE

2016年シリーズ第1ラウンド・アブダビ戦 室屋/Team FALKENはRound of 8でまさかのオーバーG。 くしくも敗退するも、最終7位・3ポイントを獲得

初戦の地、アブダビ入り後に、機体に新しい計測センサーが導入され、従来のものに比べて敏感にGを感知するようになったため、予選前に行われた3回のトレーニング・セッションでは、いずれも同じ場所(シケイン後のゲート3)でオーバーGによるDNF(Did Not Finish)を2回、及び、オーバーGを避けようとしてセーフティーライン超えたことによるDQ(Disqualify)を1回の計3回ペナルティをとられ、アブダビ戦特有の厳しいトラック設定によるコース攻略に苦戦していた室屋でしたが、フライト後に各フライトデータを解析し、新計測システムへの対策を進めた結果、予選のタイムは0:59.242・ノーペナルティで4位、予選結果を受け、本日行われたRound of 14では予選11位のペトル・コプスタイン選手(チェコ)と対戦し、このラウンドもノーペナルティ・1:01:154のタイムでコプスタイン選手に+3.855秒差で勝利し安定したフライトでRound of 8へ進出。

ターニングマニューバーに入る際の操縦桿の操作やタイミングなど、繊細な部分の研究とトレーニングを重ねてきましたが、新システム導入によって更に敏感になったオーバーG対策のため、急遽、自身のフライトスタイルの変更を余儀なくされた室屋が、ここまで短い時間で上手く状況の変化に対応してきたと思われた矢先、Round of 8、フランソワ・ルヴォー選手(フランス)との対戦で、先行で臨んだ1ラップ目、ゲート3でまさかのオーバーGでDNFとなり敗退。昨年、初めてオーバーGで失格になった千葉戦後、チームでオーバーG対策を進め、以降、オーバーGによるDNF敗退は無かった室屋自身も「まさかここ(ループの頂点)で11Gをとられるとは思ってもみなかったので、不完全燃焼な感じはあります」と語り、悔しさをにじませました。

最終結果は、Final 4に進出したハンネス・アルヒ選手(オーストリア)がゲート3でセーフティーラインを超えて失格(DQ)となり、室屋は最終成績7位、ワールドチャンピオンシップ・ポイント3を獲得し初戦を終えました。

初戦終了後の室屋コメント

アブダビ戦のコースレイアウトは、ゲート3のターンでオーバーGとクラウドラインのオーバーとうい2つのペナルティ要素が重なる設定になっていたので、最も注意して準備を進めていました。
そこに、今回のレースから突如Gセンサーが変更なり、これまで取られることがなかったレベルのフライトでオーバーGのペナルティを度々取られるようになったため、トレーニングから予選までの短い時間で新しいシステムに対応する必要に迫られることになりましたが、原因が見えてきた予選からはフライト自体はすごくいい形にまとまって、続くRound of 14も予選からのいい流れの中で着実に飛ぶことができました。

それらのフライトデータを確認して臨んだRound of 8は、自分としてはFinal 4を見据えたフライトだったのですが、余力を残していたゲート3を限界ぎりぎりまで攻めた結果、(オーバーGになりやすい「機体の引き起こし」の瞬間ではなく)まさか、ループのトップでオーバーGをとられることになってしまい、これは思ってもみなかった事態だったので、ちょっと想定と違うレースになったという意味で不完全燃焼な感じではあります。

新しいシステムが導入されたので、そこに対して新たに飛行技術を合せていく必要がありますが、対応策は見えてきているので、次戦・シュピールベルク戦では成果が出せると思います。