HISTORIC SEASON 2016

Chiba JPN

悲願の初優勝!母国開催で操縦技術世界一に。 チームの努力と多くの声援が後押しとなり、再び、最良の日を迎えた。

二年目を迎えた、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ 2016千葉が開催された。

金曜日のトレーニングセッションで、好調を維持していた室屋。予選を上位で通過して、優位なレース戦略をとる作戦を立てていたが、予選は強風によりキャンセル。総合成績順でRound of 14の対戦相手がピート・マクロードとなった。レース戦略が崩れ、嫌なムードが立ち込めていた。

迎えた、決勝日、早朝より小雨が降る中、レースデイがスタートした。早朝より、6万人のファンが幕張の浜辺でレースの開始を待っていた。午後には、雨もあがり、日差しが差し込む絶好のレース日和となり、観客のボルテージも高まってきた。

そんな中、Round of 14のHeat2、ピート・マクロードとの対戦が始まった。大歓声の中、スタートゲートを通過する室屋の機体からは、スモークが出ていなかった。メカニカルトラブルだ。スモークペナルティ+1秒を課せられた。幕張の浜に嫌な空気に包まれた。レースタイムは、01:06.022 +1秒。チーム内にもRound of 14での敗退の気配が漂う中、続く、ピート・マクロードがオーバーGでDNFとなり、室屋はRound of 8へ進出した。

チームは、機体をハンガーに戻し、スモークシステムの修理を急いだ。

Round of 8の対戦相手は、シリーズランキングトップのマティアス・ドルダラー。1/1000秒を争う展開になることは予想され、+1のペナルティは、そのまま敗退を意味している。

Round of 8のスタート。レースディレクターの「SMOKE ON!」の合図に、室屋の機体からは、スモークが出た。時間の無い中、チームが見事に修正を加えていた。レーストラックを驚異的なスピードで駆け抜ける室屋は、01:04.610のタイムを叩き出し、Final 4へ進出を果たす。

Final4。2番手に飛行した、室屋は01:04.992をマーク。この時点で表彰台を確実なものにした。続く、カービー・チャンブリスは、01:05.618。暫定一位。最後の飛行は、マーティン・ソンカ。各セクターで室屋を上回るタイムで先行する中、最後のセクターで奇跡の逆転劇。0.1秒差で室屋が勝利。

マーティン・ソンカのゴールタイムが伝えられると、エアポートに大きな歓声が上がった。エアポート周辺のファンからは、「Yoshi」コールが。エアポート全体が、初優勝を祝福していた。

表彰台の最も高い場所に立つ室屋。君が代が流れ、歓喜のシャンパンファイト、チームスタッフと喜びを分かち合う室屋の目には、涙があふれていた。

大きな成果を残した、2年目の母国開催。再び訪れた「最良の一日」。応援いただいた皆様の声援で加速したとしか思えません。全てのチームメンバーの勝利でした。