HISTORIC SEASON 2016
Budapest HUN
不安定なコンディションの中、好タイム出すも5位。 最速の敗者でのRound of 8進出は、実力の証。
室屋/Team FALKENは5位、年間総合ランキング4位でシリーズ前半戦を折り返す。
第4戦、ブダペスト戦(ハンガリー)が開催された。ブダペストは街の中心部全体が世界遺産に登録されているヨーロッパ屈指の観光都市のひとつ。
中心を流れるドナウ川に架かる世界遺産のチェーンブリッジをくぐってスタートゲートに入る有名なコースレイアウトが特徴だ。
前戦の日本大会に同様 、天候不良により、土曜日の予選がキャンセルになった。
決勝日は、暗い雲が低く垂れこめ 、細かい雨が降り続くコンディション。天候をにらみながらのレース開催となったため、全体の進行は大きく遅延した。
予選キャンセルのため、Round of 14の対戦相手は年間ランキングの順位によって決定し、室屋/Team FALKENはHeat 2でファン・ベラルデ選手(スペイン)と対戦。
時折、強い風雨に見舞われる厳しいコンディションの中、Heat後攻の室屋は、レース中盤までベラルデ選手のタイムを上回るクリーンなフライトを見せるも、最後のセクターで僅かに遅れ、ベラルデ選手に0.155秒差で惜しくもHeatは敗退となった。Round of 14の全フライトを終えた時点で、室屋のタイムは、ファン・ベラルデ選手に次ぐ全体の2番手。室屋は、全Heatの敗者の中で最速(ファステスト・ルーザー)となりRound of 8に進出を果たす。
続くRound of 8では、今大会、こちらもプラクティスから一貫して好タイムのカービー・チャンブリス選手(米国)と対戦。室屋はタイムではチャンブリス選手を上回るも、ゲート7でインコレクトレベルにより辛くも2秒のペナルティをとられFinal 4進出を逃す結果となったが、その後に続く予定だったFinal 4が時間の都合によりキャンセルとなったため、Round of 8を終えた時点でレースは終了となり、Round of 8のタイムによって順位が決定。室屋は5位でレースを終え、4.50ポイントを獲得。トータル22.50ポイント、年間総合ランキング4位で2016年シリーズ前半戦を終えた。
天候不良による待機や度重なる予定変更で、パイロットたちはコンディションを維持するのが難しいレース運びの中、室屋はコンスタントに好タイムをマークしていた。参戦してから初めてのファステスト・ルーザーでRound of 8進出を果たしたことは、シリーズ全体で考えた場合、対戦相手との巡り合わせに関わらず、確実に勝ち上がれる実力の証でもある。
「悪い条件が重なっているなかで、ここは勝負をかけるコンディションではないと判断しました。ターンの部分など、もっとタイムをつめられるところはありましたが、そこで無理をしてもオーバーGを取られたりする危険性も潜んでいましたから。今日は手堅く行って、ちゃんとポイント固めをしておけばいいというレースだったと思います。前回のレースが優勝だったことを考えれば、5位という順位は残念ですけど、今回のレースの展開や流れを考えれば上出来じゃないでしょうか。最初の2戦が酷かったわりには、いい位置につけている。年間総合3位という目標は十分射程内ですし、あと2勝できれば、トップのマティアスにも追いついていける」と室屋はコメント。
日本戦での優勝を機に、室屋そしてチームに、新たな自信が備わってきている。
今レース、Final 4進出こそ逃しはしたが、残るシーズン後半戦に期待が持てる結果を残した。