HISTORIC SEASON 2015

Rovinj CRO

予選2位で好発進するも、決勝で痛恨のパイロンヒット。 上位に肩を並べる新たなステージでの戦いがはじまる。

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップは、クロアチア・ロヴィニに舞台を移し、5月30日、31日、第3戦が開催された。

トレーニングフライトから好調を維持してきた室屋は、予選7番目で飛行し、その時点でトップとなる54:305をマーク。ポール・ボノムにわずか0.039秒差で、予選1位の座は譲ったものの、自己ベストとなる予選2位を獲得した。
室屋自身の好調に加え、日本戦から導入したEDGE 540 V3のパフォーマンスが発揮された予選結果となった。
室屋は「千葉では新機体を用意したけどあまり調整する時間が無かった。こちらに来てからその時間ができたので、調整もできたしエンジンにも手を加えることができた。まだすることは多くあるけど、飛行そのものは自信を持って、安定したものにするよう心掛けている。」と、レーストラックでのフライトを重ね、新機体の調整が確実に進んでいることを語った。

翌日、決勝日。Round of 14。
予選2位をマークした室屋の対戦相手は、開幕戦で表彰台を獲得している予選13位のピート・マクロード。
先に飛んだマクロードは、それまでの最速タイムとなる54:091を叩き出し、室屋に大きなプレッシャーを与えた。
室屋のフライト。序盤からプッシュを続け、各セクションで、マクロードを上回るタイムをマークするも、終盤にパイロンヒットでペナルティ。クロアチア戦を10位で終えた。

室屋は、「あと少しでロヴィニの最速タイムが記録できました。ピート(マクロード)がかなりプッシュしていたので、僕もプッシュしなければならない状況でしたが、ゲート10の進入角度を間違えてしまいました。新しい機体は徐々に良くなってきています。このまま調整を続けていかなければなりません」と語る。

パイロット、機体をコンディションが上がってきていることは間違いなく、上位チームからも警戒されマークされてきている。これまでのシーズンとは異なるステージでの戦いが行われているという、確かな手応えを感じている。

レースは、ハンネス・アルヒが、2位のマルティン・ソンカに史上最僅差0.148秒で優勝を飾った。チャンピオンシップ争いは、アルヒがこの勝利で名乗りを上げた中、ここまで3戦連続で安定した結果を出してきたマット・ホールがポール・ボノムとポイント数で並び、首位に立っている。