HISTORIC SEASON 2015

Chiba JPN

念願の母国開催。 最速タイムをマークするも、Round of 8でオーバーGのペナルティ。

予選ラウンド

レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップが、ついに日本で初めて開催された。レースデイは、晴天に恵まれ、2日間でのべ12万人のファンを魅了した。
室屋にとっては、念願の母国開催であり、これまでの競技人生で、最良の日を迎えた。

Team Muroya 31 は、日本戦に合わせて、新型機EDGE 540 V3 を導入したが、組み立てが完了し、ようやく飛べるようになったのは4 月下旬のこと。レースウィークに入り、台風の接近や悪天候にたたられ、テストフライト、トレーニングフライトの予定が大幅に削られ、レーストラックを飛ぶのは5 月16 日の予選当日が初めてとなった。セッティングを探りながら挑んだ予選は9位に終わった。

決勝、Round of 14で新型機のパフォーマンスが発揮されることとなる。
予選後、チームスタッフは夜通しで調整を進め、決勝前にはベストと思われる状態にまで仕上げられた。Round of 14では、予選タイムを1秒半以上も縮める驚異的なフライトで50秒779を記録。会場の熱気が最高潮に達するなか、予選6位のマルティン・ソンカ(チェコ)を破ってRound of 8に進出。室屋もV3のパフォーマンスに驚くばかりだった。

続く、Round of 8では、開幕戦優勝のポール・ボノム(イギリス)と対戦。ここでも室屋は51秒478の好タイムでフィニッシュゲートを通過したが、最後のターンでオーバーG(10Gの制限を超える)のペナルティを受けてしまった。これにより室屋はDNF(Did Not Finish)となり、惜しくもFinal 4進出は果たせず8位で日本戦を終えた。

オーバーGについて室屋は「旧型のV2に比べてスピードがかなり上がっている分、オーバーGしやすくなっていました。V2ならなかったと思います。それは機体がよく仕上がっていることの裏返しです。やや残念ですが、チームとしては満足しています。千葉に向けて新機体を導入し、1カ月くらい休みなく準備してきた成果は出せました。次戦以降に生きてくる結果です」と笑顔でコメント。室屋の言葉からもマシン性能の高さが分かる。

事実、室屋が予選でマークした50 秒779 が、全セッション(予選からファイナル4まで)を通じて最速タイムだったことが証明している。V3 のポテンシャルの高さは疑いようがない。Round of 8 で敗れはしたが、次戦への期待につながるレース内容だった。次戦のクロアチア・ロヴィニ(5 月30、31 日)は、昨年、室屋が初めて表彰台に立った場所。良いイメージを持って頂きを目指して、チーム一丸となって挑む。

レースは、予選1 位から4位までの4 パイロットが順当にFinal 4 に勝ち上がる展開で、Round of 8 で室屋を退けた、ポール・ボノム(英国)が優勝。ボノムは、見事に開幕2 連勝を果たした。

レースは、ポール・ボノム(英国)が優勝。2位のマット・ホール(オーストラリア)に、わずか0.084秒差で優勝が決まった。