HISTORIC SEASON 2019

Kazan RUS

トレーニングキャンプを経て臨んだカザン大会。 タフなコンディションの中チームの総合力を発揮し、フリープラクティスから終始安定したフライトで2大会連続優勝を果たす。

6月15日(土)・16日(日)、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2019第2戦がロシア・カザンで開催された。

開幕戦アブダビ大会から2戦目までの約4か月の間にTeam FALKEN(室屋)はフランスとスペインで2回のキャンプを行い、万全のコンディションでカザン大会を迎えた。

予選前日のフリープラクティス(以下FPと表記)1は、14チーム中、唯一1分2秒台(1:02.904秒)を記録しトップタイムをマーク。
続いておこなわれたFP2では1:02.718秒と更にタイムを縮めて再び1位に。
予選日におこなわれたFP3では1:02.351秒を記録し、全てのプラクティスで1位に。自身が記録したコースレコードを更新し続けた。

迎えた予選。穏やかな天候の下、前半に飛行したミカエル・ブラジョー選手(フランス)やフランソワ・ルボット選手(フランス)が、いずれも1分1秒台前半の好タイムをマークする中、予選最後のフライト順だった室屋は徐々に強まる風の影響を受けながらも1:01.944秒と自己ベストを更新し4位に。惜しくも予選でのポイント獲得はならなかったが、自身としては納得のフライト内容で予選を終えた。

決勝当日。Round of 14では予選11位のベン・マーフィー選手(英国)と対戦。先攻のマーフィー選手が1:03.333秒の好タイムを叩き出したが、室屋はFP・予選同様、安定したフライトをおこない1:03.243秒(ノーペナルティ)でフィニッシュ。0.09秒差の勝利で手に汗握る展開であったが僅差で勝利を収めRound of 8へ駒を進めた。
※その後、ベン・マーフィー選手はファステスト・ルーザーとなりRound of 8へ進出。

Round of 8では、予選を1位で通過し好調なミカエル・ブラジョー選手と対戦であったが、室屋は先攻のフライトでRound of 8最速の1:03.049秒(ノーペナルティ)を記録。後攻のブラジョー選手はプレシャーからか2つのペナルティを連発して敗退した。

最終ラウンドのFinal 4では、室屋は4選手中1番目のフライト。風向きが変わり難しいコンディションであったが、チームから助言を得てクリーン且つスムーズなフライトで1:03.496秒(ノーペナルティ)を記録。2番目にフライトをしたマルティン・ソンカ選手(チェコ)、3番目のフランソワ・ルボット選手は室屋のタイムに届かず、最後にフライトをおこなった同期のマット・ホール選手(オーストラリア)は1:03.681秒でゴール。0.185秒と僅差で熾烈な戦いであったがTeam FALKEN(室屋)が2大会連続となる優勝を勝ち取った。

室屋はこの結果を振り返り「今年は全4戦なので、この2戦目が天王山になると思って準備を進めてきました。その成果が出たレースだったと思いますし、4戦中2戦優勝できたのは大きなアドバンテージになると思います。チャンピオンシップのリードを広げられたのは非常に嬉しいですが、2位との差がまだ十分ではないので、バラトン湖大会が重要になります。バラトンで勝てるように明日から再び準備を進めます。」とコメントした。

今大会で決勝ポイント25を獲得し、合計53ポイントで年間総合首位をキープ。今シーズンの残り2戦、Team FALKEN(室屋)は100%レースに集中して更なる研究・準備を重ね、再びワールドチャンピオンの座を勝ち取ることを目指す。