HISTORIC SEASON 2019

AbuDhabi UAE

予選・決勝を制する完全な勝利。 戦略通りの完璧なレース運びでTeam FALKEN(室屋)の総合力を存分に発揮し、 初戦で最高の28ポイントを獲得。

2月8日(金)・9日(土)、レッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2019開幕戦がアラブ首長国連邦・アブダビで開催された。2019シーズンを戦うためのアップデートを昨年のうちにおこない、機体もチームも室屋自身もコンディションが整った状態で開幕戦の地に乗り込んだ。

2019シーズンは複数のルール変更が加えられたが、この変更はチームにとって有利な改正であると室屋はとらえていた。

予選前日におこなわれたフリープラクティス。1回目のフライトで室屋は53.786秒(ノーペナルティ)を記録して3位に。トップとの差は僅か0.106秒。フリープラクティス2では53.222秒(ノーペナルティ)でコースレコードを記録して1位に。レース本番を前に熱戦が繰り広げられた。

翌・予選日におこなわれたフリープラクティス3では53.165秒(ノーペナルティ)で3位を記録。徐々にタイムを詰めて迎えた予選では、今大会自身最速の53.024秒(ノーペナルティ)を記録し1位に。今大会から導入され、室屋自身が年間を通じて大きなキーになると予測している“予選ポイント”3を獲得した。

迎えた決勝当日。Round of 14では予選14位のニコラス・イワノフ選手(フランス)と対戦。先攻のニコラス選手が好タイムを叩き出したが、室屋は安定したスムーズなフライトで54.100秒(ノーペナルティ)を記録し勝利。

続くRound of 8ではフリープラクティスで唯一52秒台を叩き出したファン・ベラルデ選手(スペイン)と対戦。後攻の室屋は、ここでも安定したフライトで53.904秒(ノーペナルティ)を記録し、次のラウンドに駒を進めた。

機体トラブルの為ファステスト・ルーザーとして勝ち上がったニコラス選手がDNSとなり、Final4は3選手での戦いに。室屋は、ニコラス選手のDNSにより、フライト順が繰り上がり、1番目のアタックとなったが、落ち着いたフライトで53.780秒(ノーペナルティ)をマークし、フィニッシュ。2番手のマイケル・グーリアン選手(米国)もノーペナルティでフィニッシュしたが、室屋のタイムには届かず、54.009秒。この時点で、室屋の2位以上が確定。そして最後にフライトをおこなった去年のワールドチャンピオン、マルティン・ソンカ選手(チェコ)は、1周目までは室屋を追い抜くタイムをマークするも、2回目のVTMで失速。ゴールゲートまで猛追するも、室屋のタイムには届かず、53.783秒でゴール。エアレース史上、最僅差となる0.003秒差、距離にして20cmの熾烈な戦いを制し、Team FALKEN(室屋)が2019年シーズン最初の優勝の座を勝ち取った。

室屋はこの結果を振り返り「フリープラクティスからファイナル4まで、ずっとフライトが安定していて、とてもいいレースができました。予選日とは風向きが180度変わり、難しいコンディションでしたが、今日はパーフェクトに近い、いい感じの勝ち方ができました。ただ、シーズンは残りまだ7戦あるので、日々地道に準備を重ねていきたいと思います。」とコメントした。

タクティシャンの戦略とアドバイス通りの正確なフライトで、予選1位、決勝も1位。過去にも3回(2015年Rd.8ラスベガス大会、2016年Rd.7インディアナポリス大会、2018年Rd.6ウィナーノイシュタット大会)、予選を1位通過したことはあるが、予選、決勝ともに1位を記録したのは今レースが初。自身初となる予選・決勝、両方を制した室屋は、今大会から導入された予選ポイントにより、予選で3ポイント獲得し、優勝で25ポイントが上乗せされ、合計28ポイントを獲得。2位に6ポイントの差を付けてチャンピオンシップランキングTOPに。“地味に戦う”戦略通りのパーフェクトな勝利で好スタートを切ったTeam FALKEN(室屋)の更なる活躍に期待が高まる。